教授?志賀 美和子

植民地支配やナショナリズムが生み出す諸問題を、周縁におかれた人々の立場から考えています。(写真は反カースト運動指導者の記念碑)
志賀 美和子
教授 (インド近現代史)
教員データ
氏名?職位 | 志賀 美和子(SHIGA MIWAKO) 教授 |
文学部開講科目 | アジア文化史1 アジア文化史2 南アジア関係論1 南アジア関係論2 歴史資料研究法11 歴史資料研究法12 ゼミナール1?2?3 卒業論文 |
大学院開講科目 | 東洋史特講Ⅲ 東洋史特講Ⅲ演習 東洋史特殊研究Ⅳ 東洋史特殊研究Ⅳ演習 |
略歴 | 東京大学大学院人文社会科学研究科博士課程 単位取得満期退学 博士(文学)[東京大学] |
専門分野 | ポストコロニアル?インドにおける社会運動 州政治からみる現代インド 非バラモン?ドラヴィダ運動と不可触民解放 現代インド政治とメディア ヒンドゥー?ナショナリズムと政教分離主義 |
研究キーワード | インド アジア ナショナリズム アイデンティティ |
所属学会 | 日本南アジア学会 歴史学研究会 The Asian Association of World Historians The Association for Asian Studies 歴史科学協議会 |
ゼミ紹介
テーマ:インド?ナショナリズムの諸問題
<到達目標>
?インド近代史の基本文献を把握することができる。
?インド近代史の研究史を理解することができる。
?インド独立運動に関する論文の探し方を習得する。
?インドを中心とする近代アジアに関する基礎知識を獲得する。
<講義概要>
インド独立に関わった様々な立場の人々が残した一次資料を読解分析する。また、南アジアを中心とするアジア世界の近代、現代に関する国内外の基礎文献や話題の新刊に適宜触れることによって、基礎知識を獲得しつつ、同時に、先行研究において何が問題とされ、いかなる議論がなされてきたかを各自が把握する。これらの作業を通じて、各自が卒業論文で取り上げるテーマを見つけることが狙いである。
<到達目標>
?インド近代史の基本文献を把握することができる。
?インド近代史の研究史を理解することができる。
?インド独立運動に関する論文の探し方を習得する。
?インドを中心とする近代アジアに関する基礎知識を獲得する。
<講義概要>
インド独立に関わった様々な立場の人々が残した一次資料を読解分析する。また、南アジアを中心とするアジア世界の近代、現代に関する国内外の基礎文献や話題の新刊に適宜触れることによって、基礎知識を獲得しつつ、同時に、先行研究において何が問題とされ、いかなる議論がなされてきたかを各自が把握する。これらの作業を通じて、各自が卒業論文で取り上げるテーマを見つけることが狙いである。
メッセージ
? インドは、多くの言語が話され様々な宗教が信仰されている多文化社会です。その多様性は、時に摩擦を生み暴力を伴う紛争に発展することもあります。また、カースト差別や女性抑圧などの問題も深刻です。なぜインドにはこのような問題が存在するのでしょうか。インドが後進的だからだと解釈するのは早計です。また、多文化社会が必ず対立を生むとは限りません。実はこれらの問題が深刻化したのは、植民地支配が始まり、その反発としてナショナリズムが高揚した近代以降です。私は、植民地支配が在地社会に与える影響とナショナリズムが生む諸問題について研究しています。
インド史について理解を深めていくと、日本は均質的社会で問題も少ないと感じるかもしれません。しかし、本当に日本は単一的で平等な社会で差別もないのでしょうか。私のゼミに所属する学生は、インド史研究を通じて日本に住む自分たちを見つめ直し、潜在する日本の差別構造や心性を再考しています。
大学院
東洋史特講Ⅲ
かつてはイギリス支配下で一つの国家(英領インド)を形成していた両国が、なぜこのように対立するようになってしまったのか? また、インドが独立後一貫して議会制民主主義を維持し安定した国家運営?発展を遂げてきたのに対し、なぜパキスタンをはじめとする他の南アジア諸国は、政治体制が不安定なのか?
本講義では、これらの南アジア世界の現代政治の諸問題を、歴史を遡ることによって探っていく。なお、聴講者の関心に応じて内容?順序等を若干変更する可能性がある。
東洋史特講Ⅲ演習
戦時中、インドとイギリスは独立に向けて何を交渉したのか? 戦争中の独立を阻んだ要因は何だったのか? 本演習では、これらの問題を、代表的な研究書と一次資料の解読を通じて考えていく。その過程で、南アジア世界の命運が日本の動向とも連関していたことも明らかにされるであろう。
東洋史特殊研究Ⅳ
本講義では、宗教上のマイノリティであるムスリム、および、ヒンドゥー教徒の中でカースト制度上差別の対象となってきた「不可触民」の問題を主な対象とし、彼ら?彼女らの状況と運動について多面的に分析していく。
東洋史特殊研究Ⅳ演習