修了生のメッセージ

充実した教育?研究環境と
主体的に研究に臨むマインドで人生を拓く力を

経営学研究科経営学専攻経営学コース修士課程修了

姜 漢風

高校生の時に中国から来日。専修大学経営学部経営学科卒業後、同大学大学院経営学研究科に進学。2024年3月修士課程を修了し、同年4月株式会社ニトリへ入社。

——学部から大学院時代まで、一貫して専修大学で学ばれた理由を教えてください。

大学時代は中村世名先生の下でマーケティングを学びました。2年次で受講した「マーケティングリサーチ」の担当が中村先生で、分かりやすくユーモアにあふれた授業に惹かれ「この先生のゼミで学びたい」と思ったのです。中村先生の指導を受けるうちに、マーケティングへの興味がさらに高まり、次第に大学院でより学びを深めたいと感じるように。3年次から他大学も含め大学院進学を検討していましたが、専修大学の大学院に決めたのは他ならない中村先生の言葉が決め手でした。当時研究したかったテーマはEスポーツに関するもので他の大学院では専門的に研究を進められる保証がありませんでした。しかし、中村先生は「好きに研究したらいい」と快く背中を押してくださったのです。引き続き専修大学で学ぼうと心が決まりました。

——具体的な研究内容について教えてください。

私の研究では「スポンサーフィット」に着目した考察を行いました。これはざっくり言うと「どんなイベント?商品にどういうスポンサーがついていれば望む効果を得られるのか」ということを指します。具体例を挙げてみましょう。例えばEスポーツのスポンサーには、衣料品メーカーが付いていることがあります。選手は競技の間中ずっと座っているのでいつの間にか足が冷えてしまい、靴下が手離せません。そこに目を付けた企業がいるのです。消費者が広告を見て「こんなメーカーがスポンサーなんだ」と興味を惹かれ、その理由に納得したとき(強く印象に残ったとき)などに広告効果が高まると仮説を立て、研究を進めました。論文ではこれを「適度な不一致」と表現しています。

——姜さんの感じていた専修大学大学院の魅力とはどのようなものでしょうか。

隣接する多様な領域から学びを深め、研究を掘り下げていける点です。主査?副査と計3名の先生から指導を受け(主たる指導教員は中村先生お一人ですが)、最後の修士論文提出まで都度研究にフィードバックを受けました。私の場合、研究に関連する領域として「広告論」「ブランド論」などを担当される先生に副査についていただきました。違った視点からのアドバイスに、中村先生と「こんな考え方があるんだ」と大いに盛り上がったのは思い出深いです。

——大学院の学びを通じ、どのような素養が身に付いたのでしょうか。

大学院の研究では、研究方法から自分で考えていく必要があります。主体的に取り組む中で、論理的な考え方ができるようになったと感じています。論文に必要なアンケート結果を集め、統計的に有意な結果が出るまで調査を続けるのは大変で、根気強さも養われました。こうした経験は「この苦労を乗り越えたのだから、社会に出ても何でもできる」という自信につながり、人生に臨む姿勢も変化していきました。

——修士卒業後は㈱ニトリに入社されたと伺っています。どのような理由で就職先に選ばれたのでしょうか。

多様なビジネスモデルを有している点に惹かれました。特にマーケティング部や広告宣伝部では、自分の興味や関心にマッチした仕事ができると考えました。入社して最初の5年ほどは店舗配属であり、多分に洩れず私も店頭に立っています。お客様の反応に直に触れ、現場でリアルな要望をキャッチできる機会に恵まれ、日々充実しています。商品の陳列一つにも、大学?大学院で学んだ知識を活かせていると実感。今後もお客様のニーズに応えていきたいです。こうした経験を糧に、ゆくゆくは広告宣伝部で力を発揮し、商品サービスを通じて世の中の笑顔を増やしていく。そんな夢を描いています。