2022.03.20 Sun
人間文化学科トピックス一覧

【人間文化学科】多種多様な研究テーマで~卒業論文?研究発表会

2月3日(木)、人間文化学科の卒業研究発表会がオンライン形式で行われました。

bunka1▲ZOOMで調査結果を説明
bunka3▲メモを取りながら真剣に発表を聞きました
 発表会は、「ことばと芸術文化」分野と「生活と地域文化」分野に分かれて実施。4年次生は、調査、研究してきた成果を1人15分の持ち時間で発表しました。
【発表した学生のコメント】
■奥山 思さん(人間学部人間文化学科4年次?山形県新庄南高校出身)
①卒業論文のテーマ?研究内容を教えてください。
卒論テーマ「境界で生きる子どもの直面する問題とその支援―中国朝鮮族と在日中国人を例として―」
現代の農村部出身の子どもたちは、格差社会による多くの問題に直面しています。まず出稼ぎの移動に着目し、国内移動と国外移動それぞれの移動した先で子どもたちがどのような問題に直面するのか、そしてそれが社会格差とどのように関わっているのかについて検討しました。さらに、国外移動の場合に直面する出国した先の児童教育について、日本の支援状況を例に調査しました。
②なぜそのテーマを選びましたか?
中国特有の「留守児童(親が国内の都市部、もしくは外国に出稼ぎに行き、故郷で祖父母や親戚と共に暮らす児童のこと)」の存在を知り、現代を生きる中国の子どもたちがどのような問題に直面しているのか興味をもったからです。
③卒業論文で判明したこと、理解が深まったことを教えてください。
国外へ移動した中国人家庭の子どもの問題として、在日中国人(在日外国人)の児童に向けた日本における教育支援の実態について調査するために、いくつかのNPO法人にアンケートを依頼しました。その結果、在日外国人(在日中国人を含む)に対する教育支援が足りていないことが分かりました。足球365比分_365体育投注-直播*官网の影響もありますが、支援員の不足に加え、在日外国人の教育に関する根本的な国の整備ができていない状況です。足球365比分_365体育投注-直播*官网元年に「日本語教育推進法」ができたことで、これから在日外国人の子どもたちに対する充実した教育支援が少しずつなされていくと考えられます。
④卒業論文?卒業研究で苦労した点を教えてください。
NPO法人のアンケートの回答がなかなか集まりづらかったです。また、NPO法人にアンケートを依頼した際、それぞれの法人で支援している在日外国人の内、在日中国人の母数が少なかったこともあり、在日中国人の子どもに対して行っている教育支援について詳しく調査することができませんでした。
⑤大学4年間で成長を実感していることを教えてください。
大学では知識を繋げ、広げることを学びました。1つの事柄に対し、様々な分野から調べることで、多角的な視点で物事が見られ、客観的に判断することができるようになったと思います。そのような知識どうしの繋がりを認識し、学びを広げていくことを身につけられように感じます。
⑥卒業後の目標を教えてください。
卒業後は福祉関係のお仕事に就きます。これからも貪欲に学び続けていきたいです。人生は学びの連続だと思っています。学校を卒業したから勉強はしなくなるものではありません。また新しく学び、新しいコミュニティの中で人として成長できるよう日々精進したいと思います。
bunka2▲発表を行う奥山さん
【発表を聞いた学生のコメント】
■戸澤 愛織さん(人間学部人間文化学科3年次?青森県八戸学院光星高校出身)
卒論発表の時に、様々な視点から質問があったためそれらに対応した回答ができるように事前に対策をしておかなければならないと感じました。先輩方の卒論発表の仕方を参考にし、来年の卒論発表に活かしていきたいです。

■鈴木 奈緒さん(人間学部人間文化学科3年次?宮城県登米総合産業高校出身)
卒論を書くテーマをしっかりと決め、中間発表などで指摘された点をしっかりと直し、より良い卒論を書けるようにしたいと思いました。卒論と就活を進めるには早めに行動し、準備を少しずつ進めることを心がけたいです。また、大学四年生になるということで後悔なく大学生生活を送っていきたいと改めて感じ、気が引き締まりました。
人間文化学科は、人間と人間が生み出した文化について、言語、芸術、生活、地域という4つの側面から、様々なテーマで研究しています。
■卒業論文のテーマは以下の通り
「ことばと芸術文化」分野
長谷川ゼミ 文化と歴史深きイタリア―ジャンル別人気度ランキングで読み解くイタリアの魅力
根本ゼミ 『アクロイド殺し』におけるポアロとシェパード―二人の関係性の変化を中心に―
輪田ゼミ 中国語における日本語由来の新語の受容について
輪田ゼミ 境界で生きる子どもの直面する問題とその支援―中国朝鮮族と在日中国人を例として―
輪田ゼミ 中国における英語教育の現状分析―発展を続ける日本の英語教育の実情と比較して―
大縄ゼミ ラコタ?スー族の思想と地球で暮らすということ
大縄ゼミ 教科横断的な英語教育―小中学校におけるCLIL授業の提案―
大縄ゼミ アーミッシュの生活において彼らを支える精神的な充足について―信仰、アイデンティティ、コミュニティの観点から―
大縄ゼミ 過去と現在のMLBの人種差別スタッキングとその背景
目黒ゼミ 現代の「奴隷制」としての大量収監システム―「麻薬との戦争」政策を中心に
目黒ゼミ アメリカン?コミックスにおけるヒーロー像―『シビル?ウォー/キャプテンアメリカ』にみるアメリカの正義―
松﨑ゼミ 醜い絵画が人間の精神に与える影響―シュールレアリスム絵画を通して―
松﨑ゼミ ビデオゲームは藝術か
遠藤ゼミ 1980年代のアングラ文化の一考察―状況劇場『ジャガーの眼』とX『紅』にみる作品と観客の関係の共通性
「生活と地域文化」分野
山内ゼミ 雑然とした環境が知的生産性にもたらす影響
山内ゼミ 「映え」と承認欲求、自尊心、評価懸念の関係
山内ゼミ オンライン授業による大学生の学校生活満足感の影響
山内ゼミ 大学生の自己肯定感と生活習慣の関係
西方ゼミ ことばの意味の変遷について―大野晋『日本語の年輪』に依拠して―
西方ゼミ 日本語の歴史?起源について―大野晋『日本語はいかにして成立したか』を手掛かりにして―
西方ゼミ ハイデガー『存在と時間』の現存在について
西方ゼミ ことばと日本人の「カミ」観―大野晋『日本人の神』を中心にして―
杉浦ゼミ 宮城県東松島市赤井地区の葬送文化―高度経済成長期前後の変遷に着目して―
杉浦ゼミ 日本の社会教育における若者支援の歴史―イギリスのユースワークとの関連から―
庄子ゼミ 宮城県の市町村合併における観光振興の在り方について
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