2024.03.27 Wed
生物科学科トピックス一覧

【生物科学科】学生インタビュー?4年間を振り返って

4年間の学修の成果を発揮し、見事、岩手県公立学校採用試験(中学校教諭?理科)に現役合格した上村 朋範さん(理工学部生物科学科4年次?岩手県水沢高等学校出身)。 入学当初から理科の教員を目指して勉学に励んできた上村さんに体験談をうかがいました。
BI?上村1▲中学校理科の教員採用試験に合格した上村さん
Q.石巻専修大学に進学したきっかけを教えてください。
元々生物が好きで、生物を総合的に学べる大学に進学したいと考え、石巻専修大学への進学を決めました。
Q.入学したばかりの頃はどんな学生でしたか?
好奇心旺盛で、入学当初から教員採用試験に向けて過去問題に挑戦するなど、新しいことにチャレンジしていました。
Q.コロナ禍での大学生活はいかがでしたか?
入学当初はすべてオンライン授業でした。クラスメートとも直接話すことはなくLINEなどで連絡を取っていました。
1年次の後期から徐々に対面授業が行われ、声をかけてくれる友人や教職担当の先生方と関わっていく中で知り合いが増え、積極的に人と関わっていこうと思うようになりました。 直接会話することで人とのつながりが深まり、得られる情報も多かったです。シラバスなどには載っていない生きた情報を得ることができました。

Q.4年間で一番力を入れたことは?
勉学です。教員採用試験の勉強一筋で取り組んできました。
具体的には、 生物科学科で行っている教員採用試験対策の自主ゼミ「教職セミナー」や人間学部で行っている「教員採用試験対策講座」に参加し、空き時間は、過去の資料を参考に勉強を行い対策をしました。 「教職セミナー」では、物理?化学?生物?地学の専門教科の他、模擬授業や集団討議、面接対策まで幅広く学びました。模擬授業では、参加した学生が発表者の評価をしたり、アドバイスをしたりするので、聞く側としても学ぶことが多く、分かりやすく教える工夫をする力が身に付きました。
また、「教員採用試験対策講座」では、人間教育学科の先生方が教育法規や教育時事の学習や面接対策などを丁寧にサポートしてくださり、難しい専門用語や表現を理解することができました。
Q.教員になりたいと思ったのはいつ頃ですか?
小学生の頃からです。理科の先生と決めたのは高校1年生くらいです。
上村さん②▲生徒に理科の楽しさを伝えたいです
Q.理科の魅力は?
日常何げなく見て感じている自然現象は理科につながっていて、理科が分かると疑問が解決して生活が楽しくなります。知的好奇心が満たされることで「もっと知りたい」という興味がますます深くなって「なぜだろう」と感じることが面白くなります。
特に、中学校の理科は日常生活と深く関わる部分が多いので興味が深まりました。中学理科の教員になって、生徒にこの楽しさを伝えたいです。
Q.教員採用試験の内容はどのようなものでしたか?
1次では、教科等専門、教職専門、そして論文があり、理科は物理?化学?生物?地学、それぞれ出題されました。2次試験は、3回の面接試験のほか観察?実験に関する実技もありました。
実技では制限時間内に実験を行い、実験結果を解答するという問題が出題されました。想定外の内容で戸惑いましたが、すぐに気持ちを切り替えて、基本的なところを丁寧に行うことを意識して乗り切りました。
Q.その他にも教員採用試験で大変だったことはありますか。 
専門の教科以外の教職分野を覚えるのが大変でした。範囲が広く、特に新しい法律を覚えるのは大変でした。
生物科学科は、実験が多く勉強時間が取れなかった中、空き時間や通学時間を利用して短時間で集中して勉強しました。
Q.通学時間はどれぐらいかかりますか? 
往復約3時間です。本学の通学サポートバスを利用して、岩手県南部から4年間ほぼ毎日大学に通いました。 最初の頃は、バス酔いすることもありましたが、次第に慣れてきて、バスの中で勉強ができるようになりました。 
Q.自分の強みと感じるところは? 
目標に向かって取り組み続けられることだと感じます。 自分で決めた目標をひとつずつクリアすることで自信につながり、より良くなるよう努力してきました。 
BI?上村3▲菌類発生生理学研究室に所属(右:指導教授の宮嵜先生)
Q.所属の研究室のことを教えてください。
宮嵜厚教授の「菌類発生生理学研究室」に所属しています。講義でヒゲカビに興味を持ったので選びました。
Q.卒業研究のテーマと内容を教えてください。
テーマは「ヒゲカビの有性生殖とグルタミン合成酵素遺伝子の発現」。
ヒゲカビの有性生殖に関しては、グルタミン合成酵素の阻害剤実験やアンモニアの効果を調べる実験から、その正常な進行にグルタミン合成が重要なこと、代謝されないで過剰になったアンモニアはその進行を阻害することが推定されていました。このような背景から私は、グルタミン合成に着目し、その合成酵素遺伝子の発現状況を調べました。
Q.卒業後の目標を教えてください。
生徒に分かりやすい授業ができるように自己研鑽に励みたいです。 実際に自分が体験したことを具体的な例として伝えられるよう、多くの経験を積み自分を高めていきたいと思います。
最後に、石巻専修大学の魅力をお願いします!
石巻専修大学は、通学サポートバスがあるので岩手県南部からも自宅通学ができます。 生物科学科には、様々なコースがあり「理科」の教員免許も取得できる大学なので、将来中学校や高校の理科の先生になりたい人はぜひ石巻専修大学に来てください。
【教員からのコメント】
「菌類発生生理学研究室」指導教授:宮嵜 厚教授から
研究室配属になった時から、岩手県の教員(中学校)になるという明確な目標をもっており、そのための準備を着々と進めていることがわかりました。教員採用試験が落ち着くまではそちらに出来るだけ集中できる環境を提供したこともあり、見事に現役合格を掴み取ってくれてとても嬉しく思います。
卒業研究は、希望に沿う形でこれまでの所属学生の多くが敬遠する遺伝子を扱う分野に挑戦してくれました。最初の頃の不安要素は実験を進めるに従ってほぼ解消し、実験への理解力はぐんと上がり、実験の段取りも上手くなったことは上村君の努力の賜物でしょう。4月からの教員生活においては、これまでに学んだ知識や会話?発表スキルを存分に発揮し、「解ってもらえる授業」を展開して「理科の魅力を発信」してくれることを期待しています。

「教職セミナー」で指導:渡辺 正芳准教授から
合格おめでとう!コロナ禍でスタートした大学生活でしたが、持ち前の熱意と努力で見事に夢を叶えましたね。小学校の頃からの夢の実現、あっぱれです。
教員採用試験は自治体によって実施方法や難易度に差があるため、入念な準備が必要です。 岩手県は比較的難易度が高く、面接のほか実験の実技もあり、大変な部類かと思います。その難関を上村君は突破しました。教職セミナーが少しでも役に立っていたとしたら嬉しいです。
中学校では、授業や生徒指導はもちろん、保護者の方、同じ職場の方、地域の方々など、 人との関わりが特に大切になってくると思います。教科指導力をアップさせつつも人間力を さらに磨いて、活躍していってくれることを期待しています。
何か困ったこと、大学に協力してほしいことがあれば、いつでも相談して下さい。今後も「チームISU」で地域の教育を盛り上げていきましょう!