伊勢物語
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奥書に、藤原定家(1162-1241)によって建仁二年(1202)に書かれた本をもとに、嘉禎四年(1238)沙弥寂身が書写し、それを藤原爲氏(1222-1286)が転写したものであることが記されている。古筆了音(1674-1725 古筆鑑定家)の外題極札と極書が二枚ある。
伊勢物語は在原業平の和歌を中心にして、百二十五の章段の歌物語からなり、和歌二百九首が詠われている平安初期の歌物語。「竹取物語」から「源氏物語」に至る物語文学の中間的存在として注目される。源氏物語にも登場しており、当時よく読まれていたことがうかがわれる。