人権宣言

 フランスの「人権宣言」は、アメリカの独立宣言などの各国の権利宣言のなかでも最も代表的なものとされる。この宣言は序文と17条からなり、自由、平等、国民主権、基本的人権の尊重、所有権の確立などの原則が定められ、近代自由主義国家の政治観を代表したものとして知られる。

 アメリカの独立宣言を参考に、近代市民社会の基本原理を確立したこの宣言は、直ちに各国で翻訳され、またたくまにヨーロッパ各国に広まっていく。この人権宣言は、各国の憲法や資本主義経済の発展および市民階級の興隆に大きく寄与する。日本でも明治初年の自由民権運動勃興の原動力となっていく。

 本資料はブヴェロによる手彩色版画であり、タイトルはDroits de l`homme(人間の権利)と書かれている。