経済?経営?商学の学び
経済学部?経営学部?商学部ってどう違うの?
専修大学には、経済系の学部として経済学部、経営学部、商学部の3つの学部があります。これらの学部は、学問分野が多少重なりあっていることもあって、まとめて経済系3 学部と呼ばれていますが、各学部はそれぞれに固有の特徴を持っています。ここでは皆さんにとって最も身近な存在である「コンビニ」を例に取り上げながら、3 学部の違いを分かりやすく紹介してみたいと思います。
「コンビニ」に関わる視点について比較してみよう
School of Economics
経済学部の視点
おにぎりから週刊誌まで、欲しいモノがいつでも手に入るコンビニ。ここでは、およそ2, 800 品目の商品が売られ、消費者のニーズにあわせて、1年で7 割の商品が入れ替わります。コンビニ弁当の惣菜などは、遠くアジアの国々から輸入されています。私たちが必要とする商品を、私たちの知らない遠くの誰かが生産し、私たちの手元に届けてくれる見えないネットワーク、「市場経済」がそれを可能にしています。24 時間営業のコンビニは豊かさの象徴ですが、他方でエネルギーやゴミの問題などにも直面しています。そのような様々な顔を持つ「市場経済」の仕組みを学ぶのが経済学部です。
School of Business Administration
経営学部の視点
コンビニがこれほどまでに発展できたのは、次の2つの戦略が功を奏したからです。1つは、スケールアップ(scale-up)という戦略で、チェーン店を積極的に展開することで人々に近くて便利な場所として定着できたからです。もう1つはスタートアップ(start-up)という戦略で、唐揚げやおにぎり、デザート、お弁当などの新商品を次々と開発したり、店頭端末でコンサートやテーマパークのチケットを取り扱ったりするなど、皆さんが求めていた新しい商品?サービスの提供に次々と成功したからです。社会や人々が求めている新しい商品?サービス、新規ビジネスや組織を立ち上げ、それを大きく育てることについて学ぶのが経営学部です。
School of Commerce
商学部の視点
例えば、あなたがコンビニを開店するとしましょう。そうなると、どのような商品をどれだけ品揃えしたらいいのか、陳列棚への商品の配置や、接客サービスはどのようにすれば効果的なのか、お客にアピールする販売促進やイベント、店頭広告などはどのように企画したらいいのか、また販売会計データをどのように記録して利用したらよいのか、といった問題に直面するはずです。こうしたコンビニの店頭で生まれる具体的な問題から出発して、個々の店舗の経営やチェーンの運営の方法、さらにはそれらに影響を及ぼす諸問題を、取引という視点から実践的に学ぶのが商学部です。
3学部の視点 P O I N T !
社会を経済という視点からとらえてみると、それを形づくっているのは家計、企業、政府という3つの経済主体です。こうした経済社会の全体を対象として、その仕組みや働き、歴史や現状を学ぶのが経済学部です。これに対して、経営学部では、組織の運営メカニズムを理解して、どのような決定をすれば組織が永続するかを学びます。また、企業と家計の接点である市場に注目しながら、企業の生産した商品やサービスの取引について学ぶのが商学部です。下の図は、それらの関係を分かりやすく描いたものです。
経済学の視点
社会全体の仕組みを客観的にとらえる
経済社会の全体の仕組みや活動を対象に学びます。日本と世界の様々な経済現象を関連づけてとらえながら、経済社会の現状、歴史的な生成および発展の法則を解明し、グローバル化した現代が直面する問題を発見して、その解決策や是正策を考えます。主要な科目としては、「日本経済論」、「経済政策」、「財政学」や「国際経済論」などがあげられます。
経営学の視点
組織のマネジメントを理論的?実践的に学ぶ
人々が集まって一緒に仕事をする組織(企業や非営利組織など)を対象に学びます。ヒト、モノ、カネ、情報といった経営資源を活用し、新しい製品?サービスやビジネスを創造したり、人々や組織をマネジメントしたりして、組織が持続的に発展するための経営戦略のあり方を考えます。主要な科目としては、「ビジネスデザイン基礎演習」、「経営管理論」、「経営戦略論」などがあげられます。
商学の視点
企業?家計を取り巻く市場環境や制度を対象とする
商品?サービスやお金の流れを対象に学びます。商品の流れを流通システムやマーケティングとして、お金の流れを金融としてとらえ、取引の仕組みを解明し、そのあり方を提案します。特にお金の面から企業活動の全体像を明らかにするのが会計学です。主要な科目としては、「マーケティング」、「金融サービス」、「貿易実務」、「財務会計論」などがあげられます。